『Fate/stay night』２４．全て遠き理想郷（終）

• 兄：物々しいアバンタイトル、士郎モノローグの処理はビジュアルノベル原作を実感させ、語りに重きを置くこの作品らしい演出でもあった。2人の別れを描いたシーンは極力台詞を排した作りで、これまで説明台詞が過多であったからこそ映えるのは皮肉か。士郎、セイバーが最終奥義に開眼するまでの流れは若干タメが足りない感もあったけど、作画演出面の充実で相応のカタルシス。
  　少年マンガ的主人公、バトル展開に膨大な設定や理屈、ギャルゲー的構図を持ち込むという狙いは悪くないけど、その処理をスマートにこなして欲しかったかな。原作未プレイ組なので尚の事。敵に遭遇しないことにはストーリーが進行せず、バトルロイヤル形式を持ち込んでも複数のバトル、ドラマが並行して描かれるわけでもない。無茶する熱いヒーロー像で勢力間の駆け引きであるとかややこしい点をすっ飛ばしてるように見えてしまったのは不幸だった。