『巌窟王』19.たとえ、僕が僕でなくなったとしても

  • :伯爵の復讐劇もいよいよ大詰め。伯爵が復讐のために魂を売る過程をぼかしつつ、アルベールがどう転ぶのか、そして彼の周囲の人々は…、という部分に焦点を合わせる構成が活きている。そこから逆算するように伯爵の絶望を想像することができるというのは、原作にはない味なんだろうか。アルベールの見たひとときの幻想は彼のダイナミックな環境の変化そのもの。
    3次元的な株価チャートが波打つ様も面白かった。
  • :謎のフランス人が「命の灯が消えた」だなんて言うから初っ端から打ち萎れた…。アルベールは欠席したみたいですが、葬儀も執り行われたようです。あぁ…
    荷物をまとめ家を出たアルベールですが、今や国民全体の敵の息子となってしまったのか、ゲートをでることもままならず。「バカの子はバカ」と本当のことを言われカチンときた彼は門番に殴りかかります。だからそーいうところが駄目なんだ。逆にボコボコにやられ返されて、気絶したなかで見たのは嫌な幻。本当に。伯爵が登場したとこで「できるだけ遠くに逃げて!」と叫んだのに笑った。逃げればどうにかなる相手でもないぞ。
    助けてくれたルノーとのやりとりは良かったです。一緒にメソメソ泣いて慰めあうわけでもないとこが、男の子らしくて。イイ奴ですルノー。無理してアルベールを元気付けようとして。
    次はダングラール家の危機です。一家を救うことはできるのはお前だけだと、ユージェニーにアンドレアとの結婚を強要。ここまで酷い親だと遠慮なく憎めるな!ユージェニーも家出実行しますがアンドレアが立ちはだかります。ここまでやりますか…。この人すごい怪力だな。服ひきちぎって。HiMEより暗い展開になってきました。