『よみがえる空』12.レスキュー(終)

  • :一宏、めぐみの掴んだ手応えを控え目に、けれど過不足なく描き締め括る最終回。2人の「仕事」はシリーズを通して現場主義に貫かれ、組織内上部構造との対立などに流れていかないのが奇麗な着地につながった。主人公サイドの真摯な様を引き立てる外部――今回はテレビ屋――が鼻に付かないでもないが、彼等の手になる放送が一宏の実家の両親へ届き、また一宏がコメンテーターの言葉に過剰に青臭い反応も見せることもなく、と道具立てとして上手くおさまっている範囲だったかな。「職業」に一般性を持たせたり、社会人視聴者への目配せもあるだろう。
     こうした、設定は現実的だけど実写では極限状況の再現が困難、メカニック周りのコストが膨大な分野を扱い、(ファンタジーやロボット物ではない)アニメならではの作品に仕上げるという企画の意図や姿勢そのものを評価したいとこ。